コレクション 【初版・稀覯本】ロマン1,2 ウラジーミルソローキン2冊組

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自宅蔵書ですが写真のように状態良好です。なぜか裏扉に何かの伝票をはがした跡があります。ご了承いただけるかた宜しくお願い致します。この小説はすごい。さすが文学の破壊者ウラジーミルソローキンが、その面目躍如です。超希少!特に2巻のオチは文学史に残ります!しかも初版本! 19世紀末の美しい農村が舞台です。村の裕福な家庭の息子ロマンは都会での弁護士家業を廃業し、画家として再起するため故郷に帰ります。そこで森番の娘・ターニャと出会い新たな恋愛をしますが、育ての父である森番のクニーツィンはこの交際を許しません。ロマンとクニーツィンはロシアンルーレットまでしてターニャを奪い合いますがこの勝負は引き分け。というところで風雲急を告げて1巻は終わります。ここまではツルゲーネフ風の端麗な風景描写、ゴーリキー風のロシア農民の善良さと力強さ。トルストイ風味の宗教描写。ソローキンともあろうものが、なんと牧歌的ななんと美しい純愛小説を物語ってくれるのかですが、2巻ではその破壊力を否応なく発揮します。決して万人にお勧めできる小説ではありませんが、ある程度小説を、特にロシア小説を読んでいる方なら、この小説の破壊者の手による奇書(私は名作と思う)を経験しておくべきです。 エログロ、スプラッター、スカトロ、残酷、ホラー、サイコの超弩級実験小説となっています。残虐、血みどろぶりが徹底しています。しかもせっかく構築した前半の美しい物語を破壊するその工程も徹底しています。前半の牧歌的な恋愛物語は、文体も含めてロシアの過去の文豪のものをあえてパスティーシュしているようです。家族の反対など困難を経て、第2巻では最初から主人公のロマンとタチャーナは結ばれ、物語は婚礼の儀とその後の披露宴へと移ります。人々が集い、若い2人を祝福する村を挙げてのお祝いとなった披露宴が饒舌に記録されます。夜も白々とし、ようやくみなが家へ寝に帰るころ、ロマンとタチャーナは人々からのプレゼントを開いていましたが、その中に木製の鈴と斧がありました。 ここからメインディッシュが130ページに渡り続きます。  ここから先はネタバレになりますし、こういった一般人のの目に触れるところではとても書けません。 ロマンの崩壊と死で迎えるラストは長編小説=ロマンの破壊+文体の破壊を物語っています。本書を読了したら「ソロー菌」に罹患します。

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