歌舞伎の衣装/定価60000円/国立劇場監修/ドナルドキーン/絢爛豪華な色彩美の世界・その美しさは外国にもちょっと類がないのではなかろうか

商品説明
歌舞伎の衣装/定価60000円/国立劇場監修/ドナルドキーン/絢爛豪華な色彩美の世界・その美しさは外国にもちょっと類がないのではなかろうか

昭和49年 323P 定価60000円 26㎝×35㎝の大判 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

国際交流基金理事長
絢爛豪華な色彩美の世界

歌舞伎の衣裳で特筆したいことは、その色彩の美しさであろう。 その美しさは、外国にもちょっと類がないのではなかろうか。 だれが創案したというものではないが、実に細かいところまできまっていて、その計算と気配りにはおどろく。 大胆にして精緻な効果。

その源流は、おそらく徳川時代に賛美された感覚と思うが、数百年の時間の波にあらわれ、工夫と知恵が積み重ねられ、ま ことに洗練されたものとなった。 ところで、近頃日本へ来る外国人で、歌舞伎を観ることを楽しみの一つにしているひとが多くなった。 そして、「歌舞伎は実に面白い」という。

その面白さとはなんだろう。例えばこういう意見があった。 「歌舞伎を幾度か観ているうちに、衣裳や蔓や化粧が、いかに重要な要素になっているかということを実感した。 そしてそれが、単に綺麗とか豪華とか、渋いといったいわゆる日本的な美しさだけではなく、歌舞伎の演技の本質と密接な 関係があり、必然的に発達し、洗練さまで到達したさまが理解できるようになった。

例えば、歌舞伎の特色の一つに、踊りともみえるような身体の動きがあるが、衣裳は、それを演劇的に拡大しているのである。 いうなれば、衣裳は役者の身体の一部になって、身体の小さな動きを、美的に延長し、拡大している。 具体的にいうと、女形が手をのべる。そのとき手だけなら、その動きは実際の手の長さにとどまるが、袂をつかんで一緒に 振り上げると、長い袂が空間に雅びな弧を描き、手の動きは延長され、時間も長く、大きな動きを伝える......」というようなことである。

まあ歌舞伎については、いろいろな認識の角度があろうが、内側で見過していることも、外側からの思いがけない着想で、 はっと思うことがしばしばである。

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